COLNAGO Master MTB
-Type2- 210428 ホイールやブレーキなどを交換
実測車重 | Type1:9.98kg Type2:9.61kg |
---|---|
当時価格 |
Overview
-Type1-(初期仕様)調査未決!COLNAGOのMTBを調べると初期のクロモリ時代から存在し現代的なアルミ+サスペンションのモデルも見られるが、ジルコチュービングのアルミフレームでしかもフルリジッドという組み合わせは情報が少なく、さらにこのカラーリングとなってはどれだけ調査しても見当たらない。知見ある方の情報求む。
カンチ用のワイヤー通しがありOSのスレッドヘッドであることから年式はある程度絞り込めそうではあるが、それにしても経年劣化がまったく見られない新車のような超絶ミントコンディションであり、国外でも極度に少ない台数であることが予見され希少価値としての存在を預かる責任はたいへん大きい。近年までフレーム単体で維持された個体に現代パーツを組み合わせ誕生されたハイブリッドヴィンテージ。
Impression
軽量で繊細、そして尖った性格。奥の深さと理解力が試される哲学的マシン。
美味しい領域がピンポイントなところは伊製モーターサイクルと同様。整備の良し悪しや装着パーツもその組み合わせ具合で良否双方の結果がよく表れる。ハンドリングに少し癖を感じるが一概に車体を否定するのではなくヘッドのイニシャルトルクやタイヤの特性、さらにその相乗効果もある可能性が予見され今後のチューニングテーマが尽きない。よく転がる感もそれ同様。それからタイヤの空気圧でも体感変動が大きく幅広いセッティングを演出することが出来る。但しブレーキング時の荷重移動まで速くダイレクトなのでリヤがロックしやすい傾向、操作を意識して「マシンに合わせる」必要がある。制動力のVではなくもっとコントロール性のある仕組みのほうが合うだろう。実測9.98kgのウルトラライトウェイトはサスの無い前だけでなく後ろまで軽快でウイリーや飛んだり跳ねたりも意外と得意。ジルコパイプの多角形潰しで強度を保ちながら肉厚を薄くしたフレームはそのイメージどおりの感触、音で例えるなら「コンコン」ではなく「カンカン」という具合。このリヤセクションの動的印象は反応の速いダイレクトトラクション。
跳ね返りが強く縮んだバネが一気に押し戻されるようなフィーリング、ライダーの入力をマシンピッチにシンクロさせることで出力に加勢されるような感覚であり、スピードを上げるほどに合致感、おさまり感がある。
これらが事前に想定された設計であるならば、それが解かる所有者であるべき、そしてCOLNAGOという全体伝説をリスペクトする十分な理由となる。
自分の趣味趣向を一方的にマシンに求めるのではなく、相手の特長、特性を理解して自らを合わせにいく。長所、利点に着目し集中すること。ライダー×マシンというチームパフォーマンスを焦点にした意義深いテーマを授かる、高度で高貴な哲学がそこにある。
Appendix-1 190121
主要部品の完全なセットアップを終え、そのマッチングや各部調整の適正値を探りベストに至る。そして得られた完成度の高さは目を見張るものであった。個々の部品を束ねた集合物体はその個性を出し合いながら相乗され「ワンチーム」へと昇華を果たす。一体感の中に一貫したテンションが宿り、車体に起こるひとつひとつの現象を繊細に詳細にライダーへと運ぶ。テンションとは物理的な張力、バネ感のことではあるが、合わせて感情的に擬人化を見立てた意味であっていい。チューニング前と後での落差がたいへん大きいのは前述のとおりであるが、いやしかしこれほどの領域にまで高めることが出来るものかと、他車にはない高位のステージに圧倒されるばかりである。
Appendix-2 190911
やや高めの空気圧が合う。そして後ろ周りのトラクション感がやはり秀逸。モーターサイクルに例えるなら、スロットルで伸びたサス、下を向いたスイングアームがグイグイと路面を押し付ける、下向きのベクトルがそのまま前へ出る推進力にミックスされる蹴り出しフィーリング。この感覚がシートステイを伝達して尻へ伝わる。ギャップ越えも同様で気持ちのよい「跳ね感」がある。車重の軽さだけでなく動きの軽快さがあって、しかし決して軽薄ではない意味のある動きであることが感じ取れる。経験上、他のマシンにはない特異性であり、これこそが知るべき「学ぶべき」本質なのかもしれない。まだまだ奥は深い。
Appendix-3 210428
年式不明のためその年式ミスマッチを恐れずにスペシャルパーツを投入、-Type2-へ進化。
ホイールはSpinergy SPOXの最上位M1、素材と形状が特徴的、その独創性思考性で同類合わせとする。ブレーキも個性あるKCNCをチョイス、アピールの強いアノダイズドブルーで他のスモールパーツも統合。フィッティングはやや難易度が高く台座ボルトが合わなかったりレバーのアソビを対策したりと楽しい課題、ゲーム性が尽きない。
リムとシューの幅がギリギリで収まっており、ここもセッティングが高度。シューの初期食い付きが弱くレバーの反力も強いので軽く握っただけでは効きを甘く感じる。そこからさらに握りこめば制動力は立ち上がるので問題はない。ソリッドな車体性格には合っているように思うが、今後トーイン調整やその前後バランスなどの変化も試したい。伊製車体と同様にチューニングが狭くピンポイント。転じて正解が解り易く曖昧な妥協作業は存在しない。
ホイール重量(F / R)は従来のXT770で715 / 935、スピナジーで680 / 935、フロントでマイナス35gと期待したほどの大きな変化はなかった。それよりも車体全体で9.98→9.61kgへと下がったことが予想外でありブレーキ部品の影響が極めて大きかったことになる。全体の乗り味や性格はほば変わることなく従来の延長線上にあり、オンリーワンの特異性が際立っている。特別な時にだけ乗る高貴なイタリアンスペシャルに見掛けの強さ、主張力が上乗せされた。
Appendix-4 211021
毎度チューニング(調整)の尽きない車両である。
ブレーキはトーインを一通り試してそれが不要であることを確認済み。シューの面が均一にベタッと当たる状態が最良で鳴きも出ない。レバー位置は手前に寄せてアソビを極度に小さくした。Vブレーキの左右バランスを調整するネジで全体の反力を整え、前後で同じ感触となるようにセット。テストライドを繰り返すうちにシューが馴染んだようで制動力が徐々に上がって来た。特に深く握りこんだところでの効きが向上し、さらに進行する気配もあるので今後の乗り込みを重視する。他の車両には無い独特なブレーキフィーリングとなり、手応えのある適度な重さ+短いストロークでカチッと効く印象は高度にチューニングアップされたモーターサイクルに近い感じ。
ハンドルは角度を変えてポジションを調整、少し前に起こしてエンドをやや上向きとする。手首の角度はよいマッチング、ステムでの+10mm延長を計画していたがこの調整だけで求める位置が出た。
信頼感が強化され大きなアクションで激しいライディングにも「その気」になれる。乗っては整備し触れる度に身体によく馴染む方向へと熟成されてゆく。煮詰めの奥深さには驚嘆するばかりでまだまだ浅いレベルなのだろう。未来永劫テーマが尽きないとなれば趣味性としては最も所有意義の高い車両となる。
Specifications
Frame | COLNAGO Master MTB / 6H108 |
---|---|
Headset | Chris King Thread |
Bar | FSA SL-K |
Stem | Fizik Cyrano R1 w/converter |
BB | |
Crank | FSA SL-K |
Rings | FSA 42-32-22 |
Rear Derailleur | SHIMANO XT |
Front Derailleur | SHIMANO XT |
Shift levers | SHIMANO XT |
Brake Set | SHIMANO XT
KCNC VB6 (2021.04〜) |
Brake levers | SHIMANO XT
KCNC V6(2021.04〜) |
Front Hub | SHIMANO XT
SPINERGY SPOX M1(2021.04〜) |
Rear Hub | SHIMANO XT
SPINERGY SPOX M1(2021.04〜) |
Rims | SHIMANO XT
SPINERGY SPOX M1(2021.04〜) |
Tires | HUTCINSON MAMBA |
Seat Post | FSA SL-K |
Saddle | selle ITALIA SL |
Pedals | wellgo M111 |