1995 Cannondale Killer V500

実測車重 Type1:10.4kg  Type2:9.9kg
当時価格 \110,000 (日本と世界のマウンテンバイク95より)

Type1 初期コンフォート仕様

 

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Overview

2021.09.05(Type1)

キャノンデールKiller Vは小さいサイズでデザインバランスが良く(主観的には)このフレームサイズ以外は食指が動かない。設計上もそのほうが理に適っているのだと思う。この小ささを利用して身長150cm、154cm、170cmが乗る家族共有号を策定した。フレーム単体の入庫でありその他の部品はほぼ手持ちのストックを再利用する。

誇らしいHANDMADE IN USA、年式はその黄金期1995と思われるがカタログ写真との相違がある。細い旧書体のデカールと弓なりのPepperoniフォークは95までの仕様、リアエンドは96以降の形状。このミックス仕様は画像検索すると数多くヒットするのでカタログよりも先に実態が進化したのだろうと考えるのがスムーズ。刻印からの製造年月を読み取ると94 Novemberとなるので翌1995のモデルとして間違いないだろう。

2021.09.11

欠落していたブレーキ台座ボルトを手持ち部品で解決しようとしたらネジピッチ合わず。もしかして入手困難?、、、大きな懸念がよぎったが、英語サイトでリプレイス部品を発見しすぐにオーダーを入れた。とてもありがたいHPに感謝。その名もズバリの “Vintage Cannondale”
用いるパーツはなるべく高額品を避けてLXグレードを中心に構成。他車から使い回しのBB-UN72はネジ山が潰れていたので鉄やすりを使って丁寧に山を削り出す(下段画像1枚目)。今時こんな作業をする自転車屋はいないだろう。見た目は悪いが入りはスルッスルでこんなところに価値を見る特異性が当RiGiD GARAGEの本質である。
   
ヘッドセットのワンを圧入する自前工具(画像2枚目)。木工のジャンク箱にあったテーブル脚部品+長い全ネジ、これで十分役に立つ。ネジ部が細いが過剰トルクを防止する意味ではフレーム素材よりも弱くあるべきだ。特に今回のアルミフレームには好都合。さらに玉受けをコラムに圧入する際にも専用工具を使わず代用品。1986 DUCATI Montjuichに純正装備のフォルセラ解体パーツ、インナーチューブの内径がピタリ。
フレームのキズ修正はこちら(画像3枚目)のコンパウンドとリューターを使う。アルミ地の手前、クリアーと塗装までを滑らかに削り込む、同時に艶も出て線キズは目立たなくなった。アルミ地まで深く達している損傷も滑らかに磨くとまるで使い込んですり減ったようなビンテージ感が出た。演出でありアートでありこのままでも良いが、場所によってはさらにタッチアップを施す。色合いはスバルのレーシングカラー「WRブルーマイカ」が近似。シャバシャバのたれるような塗料状態から少し間を置き、頃合いを見計らって粘度が高まったところでペタペタと盛っていく。筆は使わず模型用の極細綿棒を使用。

画像@は未完成、段差が無くなるまで盛ってから滑らかに仕上げたい。画像Aは失敗例、最初からやり直し。画像Bが成功例、あら探しをしなければ気が付かないレベル。塗装のプロならもっといい方法があるのだろうがそこまでやるならば「餅は餅屋」でその人に頼る。職人の腕前には敬意を示し、素人遊びでは実験!体験!夢中になって没頭する時間が得られればそれでよい。
2021.09.23

小さめフレームに短いステムとライザーバーの組み合わせは子供や小柄な女性に合わせ、身長170cmの筆者にはハンドル位置が近い。これはこれでまた楽しくBMXのように飛んだり跳ねたり振り回したりのファニーなおもちゃ。サイドスタンドを取り付けてコンビニ特急にも最適。普段使いのVintage Cannondale、ファミリーで楽しむ素敵なクラシックMTBの完成だ。

 

Impression

2021.09.26

想定外だ!すごくバランスがいい。廉価車種と思い込み先入観があったが、どうやら私が間違っていたようだ!どうもすみません。
完成直後から煮詰め調整不要のパーフェクト状態で全く不安なく駆け出した。廉価パーツの集合体とはいえ丁寧なOHで完全セッティングを出せば何も引けは無い。軽い操作が気持ちよくとてもHighな気分で乗れる。感情性能はXT, XTRにも劣らないだろう。
    
駆動系はシンプルにFD無しのシングル36t、RDは旧式LXに9速パーツを組み合わせたワイドレンジ仕様。見た目オールドで機能は次世代バージョン、狙ったとおりのギヤ比となり低速の「庭あそび」から「通勤快速」まで幅広く使える。
そして肝心のフレーム!全体バランスがピカイチで完成度の高さが際立っている。ダンピング感、反発感が心地よく前後一体で統一された乗車感覚を強く感じ取ることが出来た。PEPPERONIフロントフォークが良くマッチしていて前出M900のP-BONEストレートフォークよりも全体調和があり固すぎず柔すぎずの絶妙設計。特に反発性能に大きな利点を持ち、漕ぎや跳ね飛びのインプットで力をためた後のアウトプットが強い。タイヤホイール含め車体全体が縮んだ後に跳ね返り大きな出力となってフィードバックされるのである。このインプット〜アウトプットの「速度感」をすぐに理解することが出来て身体を合わせることが容易。とても高度な次元でマシンとのシンクロナイズが得られ、しかもその領域にイージーに到達する。
    
小さ目ポジションで家族共有のテーマであったが自分専用仕様のポジションにも欲求が出てしまった。それほどいい車体であったことが嬉しい想定外。「PEPPERONIフォークが付いた細文字Canndy」に暫くは魅かれるだろう。

2021.10.02

試乗後の翌週に車重を計測して2度目の「想定外」を見た。鉄のスタンドやライト、リフレクター等を含んでの10.43kgは驚異的!素の状態では一桁台であろう。カタログ上のランクは中級クラス、LXグレードの廉価パーツで組み上げ、決して軽量化を意識したわけではない。単に手持ち部品の寄せ集め号、それでこの数値だ!乗り味が素晴らしかったのはそういうことだったのだ。お金では買えない素敵なプレゼントが〆の結果に待っていた。軽量マシンはなにより優る

2021.10.03

好天の日曜日、家族や自転車好きなご近所さまにも乗ってもらった。「軽い!軽い!」「ヤバい!ヤバい!」と、道端で賑やかに井戸端評価。明るい日差しに映える舶来メタリックブルーが新たな居場所に調和した。

 

 

 

 

 

Appendix 2023.08.09(Type2)

家族での早朝ライドを週末定例と取り決め、使用者の成長と用途に合わせたポジション変更に着手した。コンフォートな散歩仕様から前傾姿勢のスポーツ型へと改良、手持ち部品のやり繰りで軽量化への恩恵も得られた。

ハンドルはTREK 9900から下がったANSWER ProTaperカーボンバー、無印仕上済でハイスペック隠しにちょうど良い。クランクやシートポストを廉価品のFSAに、ステム、ペダル、グリップも手持ち品から黒合わせでチョイス、これで実測10.08kg

あと一歩でヒトケタに届くと欲を出し9sカセットをXT750に交換、そして大台超え9.96kgに至る。鉄のサイドスタンド付でヒトケタだ!しかも見えるところは旧式LXグレード、「どうだ!」と得意げに言いたい隠れ凄い車の完成。しかし使用者当人にとってはヒトケタもフタケタもそれほど意味を持たないだろう。私だけがその内訳を知っている「ふつうじゃないスペック」でスパイスを利かせてある。

Specifications

Frame Cannondale Killer V500 / 1995 / FK 05406 111126 55K5T15
Headset FSA ORBIT MX
Bar SPANK 70

Answer ProTaper Carbon(2023.08〜)

Stem Grunge 58mm 25d

BAZOOKA 70mm 10d(2023.08〜)

BB SHIMANO BB-UN72
Crank SUGINO XD2

FSA CK-C602(2023.08〜)

Rings Real 36t w/MRP
Rear Derailleur SHIMANO DEOLE LX RD-M565
Front Derailleur
Shift levers SHIMANO DEOLE SL-M570 9s
Brake Set Avid SINGLE DIGIT 3
Brake levers Avid
Front Hub CODA
Rear Hub SHIMANO DEOLE LX FH-M565
Rims MAVIC 220
Tires BONTRAGER REVOLT Super-X 26×2.1

BONTRAGER REVOLT Super-X 26×2.0(2023.08〜)

Seat Post Kalloy SP-258

FSA SL-280(2023.08〜)

Saddle SELLE ROYAL r.e.med
Pedals Wellgo M138

Wellgo M111(2023.08〜)

 


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