1995 RockHopper ULTRA

実測車重 11.4kg
当時価格 \74,000

Overview

 初期仕様
スペシャライズドの90’sクロモリMTBは上位からStumpJumper、RockHopper、HardRockとラインナップされ価格帯で明確な区切りがあった。しかし同年式のStumpJumperとこのRockHopperをフレーム単体で比較すると外観は細部までそっくりであり、アヘッド、スレッドの違いを除き寸法からロゴまでほぼ共通である。組み上げても同様に引けはなく廉価パーツで仕上げた画像の状態で車重11.4kgと十分に高度な仕上がり。カタログ上のフレーム材質としては前者が「プレステージ」、後者は「ライト」と区別されてはいるがRockHopperのコラム内側にはTANGE95の刻印もあり日本のお得意芸が深く関わっている事実もその優位性を上げる。
小さなデカールをよく見るとStumpJumperHANDMADE IN JAPAN、RockHopperは Made in Taiwan、ここまで酷似している外観で生産国が異なるなんてありえるのだろうか?表記の真意は如何に。いづれにしても実態性能が劣るような違いは(小生の感度では)未見であり、楽しい謎解きも付帯となる。

Impression

フレームカラーの名称は「サテンシナモン」、つかみどころのない中間色と感じていたがあのシナモンスティックを思い出せば腑に落ちる。生クリームにそれが刺さったかの喫茶メニューも最近では出会わなくなったがヴィンテージの時代背景としてはちょうど合う。細めのストリートタイヤを装着した場合、車重の軽さ、路面接地の軽さ、そしてセルフステアに関わるジオメトリ変化によりすこぶる軽快な動きとなる。小柄な女性や子供でも共有できるように小さめポジションとしているが、そんな大衆感覚でも「軽い」「こんなの乗ったことが無い」と高得点が得られる。セッティングやチューニングさえ完成させれば、だれにでも解りやすい優れた素質を魅せることが出来るパブリックヴィンテージである。あのレトロメニューを探しに軽快にタイムトリップしたい。
 

Appendix

後日パーツの移植を実施済み。ホイールやクランクなどが交換され、荷台、カゴを追加装備して某所へ貸出で活躍中。

Appendix 210905

貸出中のロックホッパーを一時預かりパーツ交換と整備を実施した。カゴ、スタンド付きの買い物スペシャルとはいえママチャリのように放置は出来ない。シートポストやホイールなどを他車と入れ替え、リム脱脂、ブレーキ調整、全体点検、クリーニングを終えた。
<カゴ付お買いものスペシャル Part1>
Specialized Rock Hopper 1995
短時間の試走に出たが乗車フィーリングがよくとても良い車両であることを再認識。このロックホッパーは入手経緯にストーリーがあることも忘れてはならない。プロフェッショナルな自転車店からジャンク扱いで破格出品されていた個体。ジャンク理由はシートポストの上端が無造作に切断され残りがシートチューブに叩き込まれて外せなくなっていたのだ。タガネで割ろうとした痕跡があり最奥まで到達した「負のスパイラル」状態。入手後は手持ちの金物で治具を作り引き上げる方向にハンマーで叩き出す。叩く際はフレームが逃げないようコンクリートの固い壁に押し当てておくことが大事。プロのショップで出来なかった修理を自ら完結し大きな自己肯定感をゲットしたのが約20年前である。モノに大きな価値は抱かなかったがストーリーへの(私だけの)価値観ゆえ、今では当ガレージの最古参と成る。

Appendix 220530

<カゴ付お買いものスペシャル Part2>

長期貸出中のカゴ付お買いものスペシャルはこの度いくつかの部品交換を実施してアップグレードに至った。従来の仕様は手持ち部品の寄せ集め感が強かったが、今回の改良では意思を持ったカスタムとなり愛着感と所有意義がさらに増した。カスタムテーマはアンティーク風Good Looking、貸出先の住居が建て替えされ「自転車×建物」の見栄えと質感にデザインの調和を求めた次第。
     
この95 RHerは長年にわたり数多くのパーツが変更されてきたが、乗り味の良さは変わらず軽さと癖のないフラットな操縦性がそのまま持続している。装備パーツに関わらずフレームの良さが際立っており廉価グレードであっても機能的にチープな要素は何も無い。RiGiD GARAGEウルトラ推しで最も人に薦めたい90’s Classicsだ。キャノンデールやトレックにも同じような向きがあり基本設計と全体バランスに優れた万人向け高品質、機能性能が上級車に劣らずしかしハイエンドな秘蔵品では無いために気遣い不要、手軽な日常使いが魅力的、筆者が乗っても十分に楽しめるfavoriteな逸品。値札をはるかに超えたその良さに多くの人は気づいていないだろう。新たなお楽しみをここに発見しOld RHerから目が離せなくなった今日この頃である。

 

Specifications

Frame SPECIALIZED RockHopper ULTRA / 1995 / P7436841
Headset TANGE
Bar

Riser Bar R=75mm
Riser Bar R=50mm, W=620mm(2021〜)
NITTO B802(2022.05.30〜)

Stem

Profile Design OS Thread
NITTO 100mm w/Converter(2022.05.30〜)

BB
Crank

SUGINO 160mm
SHIMANO LX(2021〜)

Rings

32t w/MRP
32t w/Aluminum Guard(2021〜)
32t w/MRP Guard(2022.05.30〜)

Rear Derailleur SHIMANO 105 7s
Front Derailleur
Shift levers SHIMANO 7s
Brake Set SHIMANO
Brake levers

Avid
TEKTRO (2021〜)
SHIMANO BL-M600(2022.05.30〜)

Front Hub SHIMANO LX
Rear Hub SHIMANO LX
Rims

WTB POWER BEAM
Specialized(2021〜)

Tires

LifeLine Essential 26×1.5
Michelin Country Rock 26×1.75(2021〜)

Seat Post Ritchey Type
Saddle

sportourer
GP VL-1418(2022.05.30〜)

Pedals

MKS
Wellgo (2021〜)

 


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