1994 KLEIN Attitude
実測車重 | 8.6kg |
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当時価格 | \270,000(フレーム/フォーク/バー, ステム 日本と世界のマウンテンバイク95より) |
Overview
極上コンディションの'94 Attitudeです。前オーナーの説明では室内保管、実走30km、悪路走行無しとのこと。各部のコンディションから見るとその通りに使用歴僅少であることが覗えます。Barn findと述べて異論ないでしょう、25年前のほぼ新車状態。フレームカラーはCoral Reef(=サンゴ礁)、94カタログではストックではなくオーダーカラー。クラインのカラーネームは他の色もそうですが自然界の色合い、光り具合をイメージする素敵な呼称です。色合わせのアメリカン切削パーツでエキゾチックに組まれていますのでその方向性を引き継ぎさらに完成度を高めます。
この時代特有のアルマイトパーツは見た目の美しさ以外に軽さの恩恵も得られます。操作感や品質はXTRに譲りますが解って丁寧に扱えば特段支障なし。車体全体での動的性能が格段にアップして大きなアドバンテージとなります。実測車重は脅威の8.6kg !!
Impression
形容の言葉が無い!超ライトウェイトエクスペリエンス
車体の「芯」を強く感じる。前後左右の動きがひとつとなってマシンの中心に集まっている。そのコア部分だけで乗り手からは全体俯瞰が可能であり、部品や機構の動きをひとつひとつ分けて捉える必要が無い。
そして全ての動きの抵抗感がない。漕げばどんどん加速して瞬く間に高速度に達し、ブレーキングでは速度分の慣性が直ちに減衰する。ダンシングでの左右の動きには重量のマス感が全く無く、制約のない自由なスウィングで弧を描く。そのままダートやギャップに飛び込んでいってもコア部分を常に捉えていれば安定しきった状態で有事は起こらない。過激なポジションや軽さから生じるネガ面も皆無!まるで空気のような無重力無抵抗、エアー感覚である。実測8.6kgと言う軽さにこんなにも驚きが待っていたとは、、、、あり得ない世界に突入した。
軽さの恩恵は特にホイール回りから得たアドバンテージであろう。Ringleのハブ、SUNのリムに超軽量タイヤ、肉薄チューブを組み合わせたデリケートな仕様。未計測だが手で持っただけでその「異常さ」はよく分かる。フレームの本質を軽量部品でさらに引き立てたようだ。2輪4輪問わず足回りの軽量化は特別に効き目がある。
ハンドルはたいへん低く遠い位置にあるが体がすっと収まり違和感がない。アグレッシブに扱っても自由度があり思い切って振り回せる。その運動性の高さを持ったままハイスピードレンジまで伸びきる!かなり「アブナイ」マシン。自制テクニックはモーターサイクルで会得済みとはいえ、誘いは強い。
経験のない領域にある'94 Attitude。美しい塗装やレアパーツの魅力だけでなくMTBの世界観を塗り替えるほどの実態性能を持つ、「知る人だけが知る」「解かる人だけが解かる」超々スペシャルな存在。雲の上の出来事であり比較するマシンが同じ土俵に無い。
Appendix 20.05.29
アグレッシブなハイスピードSPL !!
常に集中力を求められ、乗り手のコンディションとの合致で突出したパフォーマンスとなる。走る場所や使い方も限定されて交通量の多い市街地ではリスク大きい。とても尖ったレーシングスペシャル!好みのタイプではあるがこれ1台では不自由さもあるだろう。感度を高め理解に努める乗り方が大事、敬意を持って歩み寄ることで少しづつ距離が縮まる。長期の慣らし運転が重要なテーマとなり乗る度に濃さが増すはずだ。深い前傾姿勢の理由も大きいとは思うがAdroitとは異なった全く別の性格であることが興味深い。
attitudeの語意を調べると「物事に対する考え方、姿勢」とある。対してadroitは「器用、巧み」。前者は乗り手を選び積極的な関与を求められる。後者は受け身でよく無償で大きなフィードバック、恩恵が得られる。プライスの違いは先行投資ということだ。
Appendix 20.06.07
・シフターのOH
外観は不都合なかったのでそのまま組み上げたがシフトはガシャガシャと定まらない。カバーを外すとグリスが白く硬化しており要整備であった。クリーナーで洗浄し仕上げにはグリスを用いないでシャバシャバのオイルスプレーのみ!雨や放置の懸念がなければオイルだけにする。節度あるパリパリ感が気持ちよく車両全体の印象が整う。デメリットを学びながらハブやヘッドにも試してみたい。
XTRとはいえ整備不良では価値は無し!ブランドやステータスではなく「動く実態」が大事。求めていたコトがここにあり「買いモノ」ではなく自前の行動からで手に入る。
・空気圧
AttitudeもAdoritもエアボリュームのある太めタイヤが合う。サスペンション感覚のショック吸収をタイヤが受け持ち、そのストローク感と車体のピッチングをよく感じ取ることができる。このAttitudeに装着した軽量タイヤでは低圧にしすぎるとヨレて切れ込みが出るのでエア加減はピンポイント。
・ブレーキセッティング
前ブレーキに少し鳴きが出るが現状のトーイン(0.5mm程度)からはそれ以上に対策しない。車体全体の性格に合わせてダイレクトなフィードバックを重視。それぞれの車両に応じてセッティングを策定することが大事!いつも同じではない。
Specifications
Frame | KLEIN Attitude / 1994 / 19T0494089 |
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Headset | KLEIN MC2 |
Bar | KLEIN MC2 |
Stem | KLEIN MC2 |
BB | KLEIN |
Crank | Grafton Joystix |
Rings | SHIMANO SG-X |
Rear Derailleur | SHIMANO XTR 900 |
Front Derailleur | SHIMANO XTR 900 |
Shift levers | SHIMANO XTR 900 |
Brake Set | DIA COMPE DC987 |
Brake levers | SHIMANO XTR 900 |
Front Hub | Ringle |
Rear Hub | Ringle |
Rims | SUN CR17A |
Tires | MAXXIS MAXXLITE 285 |
Seat Post | Ringle MOBY |
Saddle | selle ITALIA Flite |
Pedals | TIOGA SureFoot 9 |